FCCの PMAG トレポンマガジン がWindowタイプで帰ってきた!レシーバーに合わせた調整方法もご紹介
FCC(Fight Club Custom)の トレポンマガジン が久々に入荷しております。それも再生産ではなく、新しいWindowモデルが登場です。旧モデルは、実マグを利用したハンドメイド品以外ではトレポンで唯一のPMAG GEN M3タイプとして重宝されていましたが長らく再生産されず、ずっと待ち望んでいたトレポンユーザー様も多いのではないでしょうか。
2023年になって急に再生産の噂が出ましたが、どうやらアウターシェルはWindowタイプらしいと聞いて、微妙な気持ちになっていたのは私だけでしょうか(笑)窓付きってことは旧モデルとは金型を変えている訳だし、数mm単位でサイズやバランスが変わっている可能性もあるよな?と心配が尽きませんでした。あと「窓イラネー」とも思ってました(笑)現物見るまでは!
この心配は、半分は杞憂に終わり、半分は的中していたのでした。その真相とは?!
さてさて、新しいFCCマガジンを早速見ていきましょう!
まずは FCC 新 トレポンマガジン のディテール紹介
実際に新型 トレポンマガジン が届き、手に取ってまず驚いたのは「あれ!?アウターシェルの質感良くなってる!」という点です。金型やり直してるだけあります。表面のシボ加工の凹凸が粗くクッキリとし、リアルさが増しています。旧モデルもシボ加工はされていましたが、細かすぎてツルっとした質感でした。新モデルの方はというとザラッとしていて光の反射も少なく、実PMAGにかなり寄せてきています。
刻印についてはNSNこそ省略されていますが、書体などかなりリアルにできています。GEN M3から追加されたマガジン下部のペイント・ペン・ドット・マトリックスもバッチリ搭載。
そして新型最大の特徴である残弾数確認のMag Levelウィンドウも曇った感じを見事に再現。エアガン用マガジンではツルツルとして透過率の高い製品が多い中、ここまでリアルなのは初めてお目に掛かりました。「窓イラネー」とか言ってごめんなさい。ウィンドウ脇の残弾数刻印もちゃんとあります。
このウィンドウを活かすためにカートステッカーが付属しているのも嬉しいポイント。メタリックプリントされたデカールをインナーシェルに貼り付ければ、遠目で見た時のリアリティさがアップ!立体的ではないので近くでまじまじと見てはいけませんが、出来自体はかなりグッドです。
このステッカーの代わりにカラフルなテープやお好みのステッカーを貼って、Myマガジンアピールするのも面白そうです。
そして個人的に最もグッとくるのがフロアプレート周りです!実物と同じくボタンがグレーになり、ここを押しながらフロアプレートをずらして中から現れるのは…え?フォロワースプリング?実物とそっくりな内部構造に驚きを隠せません。
実マガジンとほぼ同径のぶっといフォロワースプリングは2巻程度で終わりですが、フロアプレートのストッパーとしてだけでなく、インナーを押し上げる役割もあり、リップをチャンバーにピッタリと当てるのに一役買ってくれそうです。
ここまで見る限り、良い事ずくめなFCC PMAG Windowタイプですが、トレポンマガジンならではの「相性」問題はやはりつきまとうのでした…。
トレポンマガジン は本体との相性に左右されるモノ
FCC PMAG Window トレポンマガジン のインナーには旧モデル同様、安定のBlack Cat製が使用されています。弾上がりが良く弾詰まりも起きづらくメンテナンスもしやすい、非常に優秀なマガジンインナーです。装弾数を120発とリアカン30発で切り替えることも可能。ただし、冒頭でも危惧していたアウターシェルのサイズ感、アウターのキャッチ穴とインナーの位置関係など、やはり旧モデルとは寸法が異なる点がいくつか見受けられました。
旧モデルはバッチリ使えていたから新型でも大丈夫!とはいかないケースがありそうなので、マガジンの調整の際におさえるべきポイントを解説していきましょう。PMAGは幸いSTANAGと違いアウターシェルがポリマー製なので非常に調整加工がしやすいです。基本的にどんなレシーバーでもフィッティングを向上させることが可能です。
まずはアウターシェルの確認
FCC PMAG Windowタイプをまずシステマ製レシーバーに差そうとしたところ、マグウェルの抵抗が大きく明らかに入りが固い。新型のPMAG Windowを旧モデルとサイズ比較したところ、前後左右共に幅が0.4mmほど大きくなっていることが原因でした。
さっそく金型の影響がぁ~と頭を抱えかけましたが、これは逆に考えればガタで給弾不良を起こしたり、マガジンキャッチの掛かりが浅く不用意にマガジンが落ちないということでもあります。変にスリムになって使えないとかではないので、全然問題ないんですよ。落ち着け、ワタシ。
ご愛用のトレポンレシーバーでもしマグウェルへの入りがキツい場合は、何回も抜き差しして当りを取っていくか、マガジン側の当たりが強い部分を削ってしまいましょう。ちなみに、Z-Partsの鍛造レシーバーでは、自重落下はしないもの入りはスムーズでした。マグウェルのキツさはメーカーやコーティング厚との相性により異なります。
加工なしで使えなかったのは意外や意外、同メーカーのFCC製レシーバーです。FCC NOVESKE GEN3タイプレシーバーではマグウェルがどうのというレベルではなく、マガジンキャッチが掛かりませんでした。同じメーカー製品同士で相性が悪いとは…(笑)
しかしこれを問題と捉えるのは早合点です。マガジンキャッチが掛からなかったのはCOLTタイプレシーバーではないから、ということの様ですね。PMAGは軍用を想定しているため基本的にCOLTレシーバーに準拠しています。NOVESKE GEN3の様な独自デザインの民間レシーバーでは、何かしらの調整が必要となる場合がありそうです。
トレポンマガジンの調整をする際のポイントは、マガジンが挿さらない原因がどこに潜んでいるかはレシーバーにより異なるということを認識したうえで、アウターシェル、インナー、リップと1箇所ずつレシーバーとの相性を確認していくことです。
まずはアウターシェルのみで挿してみて、マガジンキャッチが掛かるか試してみましょう。FCC PMAG Windowからインナーを取り外し、アウターシェルのみでNOVESKE GEN3に挿してみました。これでもマガジンキャッチが掛かりません。原因はアウターシェルにあるようです。
NOVESKE GEN3レシーバーにPMAG Windowが挿さらない理由は、背面の突起にありました。PMAGは実銃でマガジンを叩き込んでボルトキャリアに不要な力を掛けないためのストッパーが背面に付いています。
PMAG Windowでも見られるこの突起はCOLTタイプレシーバーに準拠して設けられているため、NOVESKE GEN3のような独自デザインのレシーバーでは邪魔になる場合があります。COLTタイプでないレシーバーをお使いのトレポンユーザー様はご留意ください。これはFCCの設計が悪いという訳ではないので悪しからず。
この突起がレシーバーに当たる場合はシンプルに削るしかありません。ちなみに旧モデルは突起の位置が低めに作られているため(どっちがリアルなのか、どっちもリアルなのかは不明)問題ありませんでした。
この突起、両サイドが上向きに曲がった形をしているので、まずはその部分を削り落とします。それでもダメな場合は1段下の突起部本体も斜めに1~2mm程度削っていきます。それでもダメなら突起を後ろから全体的に削って突出量自体を小さくします。こうすることで、アウターシェルにマガジンキャッチが掛かる様になりました。
アウターシェルだけならOKなのに、インナーを戻すとダメになる理由は?
アウターシェルの調整を終え「さぁこれで試射ができるぞ♪」と思ったら、インナーをセットしたとたんまたマガジンキャッチが掛からなくなりました(涙)ここで「マガジンキャッチが掛からないならマガジンキャッチを削ればいいじゃない」なんていう安易な方法に陥ってはいけません。マガジンキャッチを削ってしまうと、今までマッチングの良かったお手持ちのマガジンが使えなくなる可能性があります。そのマガジンもキャッチの掛かりが悪いのあれば話は別ですが…。
アウターシェルのみなら挿さるのにインナーをセットすると挿さらないならば、インナーが上に出過ぎているということです。でも新型Windowマガジンのインナーは下からスプリングで押されていたはず…。本来ならば程よくインナーが押されてうまくいきそうなものですが…はて?
インナーを指で押し込んでみると、確かにスプリングにより下に行きますが、MAXまで押し込んで旧モデルより1~2mm程度上に出た状態で止まります。どこかでつっかえているようですね。
原因はBLACK CATのインナーマガジンにありました。BLACK CATは気の利いた設計の1つとして、トレポンマガジンで最も無くしやすいパーツであるリップガイドスプリングがふっ飛んでいかないよう金属プレートでリップ周りを囲んでいます。どうやらこのリッププレートが下に長すぎて、アウターシェルの内側でつっかかっているようです。今度はこの金属プレートの下を1~2mm程度削り落としましょう。
それでもマガジンが入らない理由は?
2箇所の原因を見つけ出し、してやったりと再びインナーをアウターシェルに戻し NOVESKE GEN3 レシーバーに挿そうとすると…まだマガジンキャッチが掛かりません…。
リッププレートの削り量は充分なので、まだ別の所がつっかえているようです。そこで今度はフロアプレート内部を疑います。ロックボタンの前後が結構上に伸びているので、ここもインナーに当たっているのかも。お次はフロアプレートを外した状態でマガジンをレシーバーに挿してみます。「カチャン」お!マガジンキャッチが掛かった!
最後の犯人はロックボタンでしたか…。明らかに「削ってくれ」と言わんばかりの部分があるのでここを全部カットしてしまいます。ここまでやってようやく、NOVESKE GEN3にも PMAG Windowがしっかり挿さる様になりました!弾上がりも全く問題ありません!
ただし!これはFCC NOVESKE N4 Gen3 レシーバーに合わせて行った改善であり、レシーバーとの相性やマガジンキャッチとチャンバーの位置関係によってはインナーの下がり過ぎが給弾不良の原因になる場合もあります。リッププレートやロックボタンの加工は、少し削ってはマグウェルに挿し…を繰り返して調整すると良いかと思います。
削り過ぎて逆に弾上がりが悪くなってしまった!という方もご安心ください。フロアプレートロックボタンの削り落としてしまった部分にプラ板やゴムシートを貼って高さを調整することができます。
FCC MAGPUL PMAG 30 GEN M3 Windowタイプを、コルトレシーバーとは異なるディテールの民生AR15で使うために試したいた調整をまとめると
①アウターシェルのみでマガジンキャッチが掛かるか確認し、掛からない場合はマグウェル周りに当たる部分を見つけて削る。
②インナーをセットしてもマガジンキャッチが掛からない場合は、インナーの下がりを邪魔する部分を削っていく。
③内部の調整ポイントは2つ。リッププレートの下側とフロアプレートボタンの前方上側。
※③については、フロアプレートロックボタンのみの加工でも0.3mmほどインナーが下がるようになります。お手持ちのトレポン本体に合わせて適宜調整を行ってください。
ちなみにトレポン本体とマガジンの相性問題で言うと、マガジンキャッチが掛かっても給弾が安定しない場合もあります。こちらについてはトレポン本体側の調整が必要となってきますので、また別の機会に解説させて頂きます。
軽くて見た目もGoodなFCC トレポンマガジン 。調整次第で幅広いレシーバーにも対応できますので、困った時は参考にしてみてください!
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